転職をするなら…と希望を持っていたことがある。


今より多くお金を稼ぎたい。
今より安定した会社で働きたい。
今より早く家に帰りたい。
今より自分の将来に近づける仕事がしたい。
今より社内環境のいい会社で働きたい。
今よりやりがいのある仕事がしたい。


正直、転職前に自分が重要だと感じていたほとんどは、得られなかったかもしれない。



でもそんなものは今の私にとっては全然重要ではない。
自分でも驚くほどどうでもいいことだった。
と、いうより今すぐに必要なものではなかった、というほうが正しいかもしれない。



わたしが目の前にしている仕事は自分にしか出来ない。
入社して間もない私にそういわせるほどに、
この会社のサポートセンターは私でしかなかった。



たぶん、私以外のひとが入社したとしても同じことだ。
『サポートセンターの岡村』が『サポートセンターの●●』になるだけ。
会社に必要とされていたポジションは誰にでも用意されうるものだったはずだ。



それならば私はラッキーガールだった。
たまたま通りかかったという理由で、
少なくともこの空席は手に入れることはできたのだから。



ただし、誰がやっても同じ仕事になるような仕事ならば私がいる意味はない。
数あわせではなく、私だから出来たことが出来なければ意味がないのだ。