そんなこんなでわたしは『サポートセンターの岡村』になった。


向いているかどうかなんてわからない。
でも与えられたことをやる。


どこにいても何をしても、目の前のものに夢中になれる。
それが私のとりえだと、自分では感じていた。



サポートセンターの仕事は、はじめからイメージとは全く違っていた。
サポートセンターの業務は、ほぼ私が対応。
新しいことが起こればその対処法も、今後の対策も考える。



何も考えず機械的な作業を一定に繰り返すものだと思っていたサポートセンターの日常は、
とてつもなく変則的で同じことなどまるでない。
むしろ次から次へと起こる新しい事件にまみれて、
いくら時間があっても足りなかった。



営業で一日中外を飛び回り、くたくたでいつも帰りの遅かった私が、
デスクワークになった事を一番喜んだのは母だった。



そしてまた、結局相変わらず帰りの遅い私に激怒したのも、当然母だった。
今度は早く帰ってくるものだと思っていた母は、心配のあまり、一時期怒りまくっていた。



それでも私は遅くまで働いた。
母を諭しながら。



『だって、私が今してる仕事は、会社で私にしか出来ない仕事なんだよ!』