田舎町の風景

最寄駅は無人駅で、一時間に2本程度の運行。
自動販売機には平気でカエルがへばりつき、
隣近所は親戚以外、どこをお隣さんと呼ぶのかわからない(程、遠い)。


当然、家を留守にする場合も施錠なんぞしません。
知り合いは戸を開けてから声をかけるし、窓から中を除いて所在確認をするのはなんら不審とは認められません(むしろ、インターフォンを鳴らしてくると逆に不審さを感じる始末)。


足元のおぼつかないご老人たちが、道路をゆっくり横切れる程、車どおりの少ない国道は、道路に知らない車や若者がいれば完全に目立ちます。


そんな“田舎町”は、ずっと昔に見た風景と全然変わらぬ風景で、実は生まれがこの新潟である私は、来るたびとても懐かしい気持ちになります。


今の自分がとてつもなく理屈っぽい人間のような気がしてくるのがナゾ。


こうして仕事で次の日に着く父と母よりも一足先に、私と姉は車でこの懐かしい地に足を踏み入れたのでした。