本当においしい食卓

裏の畑では山菜が採れるので、父の姉・兄からのお中元やお歳暮は、いつもお米や山菜でした。
以前は“ハムのひと”にあこがれた私でしたが、小学生のときの“好きな食べ物欄”に『山ウド』と書くほど、ここで採れる山菜がすきでした。


宴会の料理は各家々から持ち寄られ、スーパーでは売ってない食材を使った料理が並びます(今回は“いご”という、海草を練った、見た目羊羹のようなものを初めて食した)。
山菜も塩漬け保存してあるものを炒め物や煮物にしてあり、本当においしいものばかり。


居間にいれば、お茶はわんこそば並みに汲み続けられます。
おいしいといえば次々に出てくるお漬物。
ぶつぶつ交換の盛んさを思わせる、たくさんのもらいものお菓子。


到着して、居間に足を踏み入れれば、何十年前と同じ空間になってしまう。
ここだけ時間が止まってるんじゃーと思ってしまう。


でも祖母は亡くなり、従兄弟のお兄ちゃんもお姉ちゃんも、もうこの家を出て、それぞれの家庭をもっていて、たぶんそれは我が家の未来図。