アボリジニは怠けもの?*オシム*

最近、オシムの周囲では結婚ブームが巻き起こっています。


20代も後半に差し掛かると、ブームが来るとは聞いていましたが
やはり適齢期にはみな判断も同じのようで
例にならって当たり前のようにブームが訪れました。


そうして先日も、学生時代仲のよかった友人が結婚し
挙式・披露宴にお呼ばれしたので参加してきました。


その数日後、当日はお話することもままならなかったため
近況報告を兼ねて改めて食事をすることになりました。
いい式だったよーなんていいながら、話は挙式後すぐに
行ったという新婚旅行の話に。


どこに行ったの、とたずねると、
オーストラリアへエアーズロックを見に行った、とのこと。


どうだった?という質問に開口一番いった言葉が、


アボリジニは怠け者なんだよー」


なんで?と聞くと、エアーズロックに行った際に仕入れた情報によると、
エアーズロックはもともとアボリジニの所有地だったそうで、
観光地として開放するという際、オーストラリア政府と裁判になり
現在オーストラリア政府は年間3000万円と、入場料収入の25%を
アボリジニに支払って観光の許可を得ているのだとか。


「そうすると、アボリジニ一人当たり一日に1万円くらい貰える計算になって
 月収30万くらい何もしなくても貰えるから、働くこともないし
 何もしないでフラフラ買い物したり街で遊んだりしてるんだよ」


これではアボリジニが怠けものになる、ということで
二人して憤りを感じて帰ってきたのだそうです。
考え方は人それぞれですので、批判云々は置いておいて。



たしかに不況で正社員にもなれず、お金を稼ぐために
必死になって職を探しているこの国の実情を
現場で見ている身としては、なんてラクな…
と、思わずにはいられませんでした。


聞いた限りだと、資産家の家に生まれた、
不動産収入で一生遊んで暮らせるおぼっちゃんと同じ感覚ですもんね。


でも、楽してお金があったら楽しいかもしれませんが
私なら虚無感と戦って結局苦しい思いをしそうだなあと思います。
貧乏症なのかしら…



この前、代表山本がこんなことを言っていました。


「仕事を楽しむのはいいことだけど
 楽しい仕事はしてほしくない」


…たぶんこんな感じのフレーズだったと思うのですが…


要は、楽しい仕事って結局自分が好きなことを選んでする
ラク」な仕事になってしまうのではないかと思うのです。
ラク」なことはするけど、苦しいことは避けて通るので
結局いいとこ取りだけして、悪いところは良くなっていかず
都合の悪いだめなところは自分で見えなくして隠してしまう。


仕事を楽しむ、というのはそれとは違い
楽しい、嬉しいだけでなく、辛い、苦しい、きついもひっくるめて
それらを経験していることに対して楽しいと思えることだと思います。
まともに仕事をしていれば多かれ少なかれぶつかるこれらを
苦しみながらも楽しめるということ。


ついつい楽しいことだけいいとこだけとって
ラクな道を歩きたくなりますが、いつまでもそこを通っていると
その先につながる道が陥没してしまう気がします。


それも本望、と思えるなら永遠に同じ道を歩いていても
それも人生、と思いますが
私は茨の道を痛い思いしながら通ってでも
次のステージへ行きたいなぁと思います。


…思っていてもなかなか進めないのが茨の道なのですが。


でもある人が言っていました。


できるようになる速度は人それぞれ。
慣れれば必ずみんな出来るようになるから
あきらめないでやり続けることが大事。


そうか…あきらめそうになるけど、
きっと私はすごく遅いのろまなほうだけど、
一生懸命進んで、出来なくてもあきらめないように頑張ろう。


アボリジニの収入にはっとしながら、
そんなことを想うオシムなのでした…